「マサズ劇場」その104 ショーケース (完)
「うーん、、。 やっぱりコイツは、なんとかしたいなぁー。」 Aさんの回想から覚めた私は、そのショーケースを前に腕組みしていた。 工房スペースの拡張は、絶対条件。 でもこのショーケースだけは処分せずに、、なんとかできないものか、? 、、、よし。 「コイツとコイツ、それからコイツももういいや、捨てちまえ!」...
View Article「マサズ劇場」その105 追い込み
気がつけば、もう3月も末。 このブログも、1ヶ月以上お休みしてしまっていた。 その間、ニューヨークタイムスの取材があったり、Nayuta モデルの納品準備が始まったり。 いつもにも増して、バタバタしていたのだ。 いや、「していた」というのは間違いか? 何故なら、今がまさに一番バタバタしているんだから。 「虎太郎、ケースどうなってる?」...
View Article「マサズ劇場」その106 凪
あれよあれよという間に、ゴールデンウィークも後半に入った。 連休と無縁の私はあいかわらずの時計漬けだったが、ひさしぶりにブログを開くと、、前回の投稿が3月の末。 あっという間に、一ヶ月以上空いてしまったことになる。 途中、オリジナルウォッチの進捗をお知らせしたくて何度もブログを開いたものの、当然ながら、パソコンに貼りついた途端、時計の方が進まなくなる。...
View Article「マサズ劇場」その107 蒼黒
苦節10年ののちにたどり着いた最初の時計が「凪 なぎ」であることは、前回ご紹介した通り。 これはムーブメントMP1は岩田、ケースや文字盤はオールラウンダーの虎太郎(清水)との協力で完成した時計だが、その後、辻本と進めたもう一つのモデルが「蒼黒 そうこく」だ。...
View Article「マサズ劇場」その108 時計の価格
「あ、また国内の方から申し込みありました!」 「どれどれ。 あ、本当だ! 凪の方だね。」 「と思ったら今度はアメリカの方ですね。 えーと、蒼黒でも凪でもどちらでもよし、できれば2本とも希望、と。」 「へー、、やっぱりアメリカ強いねー。」 オリジナルウォッチの抽選応募が始まって、3週間経過。 さすがに開始当初ほどの勢いはなくなってきたが、それでも日に何本かづつかは応募をいただいている状況。...
View Article「マサズ劇場」その109 部品メーカー
「ご期待に添えず、たいへん申し訳けございません。 来年の抽選の日程が決まりましたら間違いなくお知らせするよういたしますので、なにとぞご容赦ください。」 オリジナルウォッチの抽選結果に関して、こんなメールを何件送ったか。 気持ちとしては、申し込んでくれたすべての方に時計をお届けしたいのだけど、、無理をして、あとになってご迷惑をお掛けするわけにもいかない。...
View Article「マサズ劇場」その110 花丸
「おはよー。 コーヒー買ってある? 昨日無かったけど。」 「うん、あるよ。そこの棚に。」 カミさんは、パソコンの前で伝票の山と闘っていた。 今月は決算の時期で、なにかと忙しいのだ。 34期目の決算、今月で35年目に入った。 なんとも実感が湧かないが、、想えばずいぶんと長いこと時計屋をやっているような気はする。...
View Article「マサズ劇場」その111 取り柄
「岩田くん、MP1の地板と受け板、何セット出来てる?」 「えーっと、、今8個分ですね。 全部コタ(虎太郎)に渡してありますよ。」 「了解、8個分ね。失敗することも考えると、あと3セットくらいは作っておくようかな。」 「そうなんすけどー、それより香箱とか鉄パーツの方が間に合わなくなりそうな気がして、今、そっちやってるんですよ。」 「そうか。まあなんとか平行してやってかないとしょうがないなー。」...
View Article「マサズ劇場」その112 金相場
「80万×30個で、、えーっと、240万、いや、えーっ、2400万!?」 「ええ、そういうことになりますね。」 「、、ホント? 、計算間違ってない?、。」 時計の値段ではない。 尾錠、つまり時計のバンドの取り付け金具のはなし。 その製造にあたって必要な、K18の材料の値段だ。 昨今の金相場の高騰に関しては、ニュースなどでも報道されている通り。...
View Article「マサズ劇場」その113 那由他モデルの納品
「おはよー」 釣り三昧だった私の夏休みも終わり、店はいよいよ後半戦に入った。 出てくるなりMPシリーズの製作でバタバタしているのは、休み前と同様。 一方で、このところ、篠原のNayuta Modelの方は、納品が続いている。 Nayuta Model A&B をリリースしたのは去年の9月だったから、かれこれほぼ一年経った。...
View Article